積読ダイエットチャレンジ(残1519冊)

日々積み上がる積読メタボを2030年までに解消するレコーディング読書ログ

2022年6月に買った本(10)・読んだ本(6) ↑4冊増量

2022年6月に買った本(10)

 

Kobo】『ハケンアニメ!』辻村深月

映画の評判がすこぶるよくて、調べたら小説原作だったので原作小説を先に購入してみた。映画を見る前に読む(※読んだ)。

 

Kindle】『The Relic of the King (The Crypt Trilogy Book 1)』Bill Thompson

ナチスの黄金列車がこのシリーズ(クリプト・トリロジー)のラストでネタにされるとのことなので1作目を購入してみた。ナチスの黄金列車はフィリピンの山下財宝とか日本の徳川埋蔵金みたいな定番ネタで、ポーランドでは繰り返し発掘騒ぎがあるらしい。小説でも散々擦られているかと思いきや、本書の他にはそんなになさそうだった。

 

Kindle】『The Viceroy of Ouidah』Bruce Chatwin

cruel.hatenablog.com

翻訳の「ウィダの提督」。こちらで紹介されているのを見て買おうと思ったのだけど、翻訳があまりよくなさそうだったので原書を購入。「ウィダーの副王」というタイトルでも翻訳があったけど今の円安を加味してもお高かったので見送り。

 

【同人誌】『ルナチック』まおいつか

【同人誌】『まほうのじかん』まおいつか

【同人誌】『またね』まおいつか

先月読んだ『違う風景』が良かったのでピョコタンチャンネル交流会のよしみで過去作を購入させていただいた。おそらく現在市場では流通していないかもしれないけど、このブログでは購入したものは記録・感想を書く方針なので記録する。読んでもお金を払っていないWeb漫画、Web小説、その他の資料はこのブログに何か感想を書いたりすることはないと思う。

 

Kobo】『日本列島の「でこぼこ」風景を読む』鈴木殻彦

楽天ブックスの20%オフクーポン(5千円以上)を使うためにAmazonウィッシュリストに入れていた本を購入。地理本。


Kobo】『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み』大山健太郎

楽天ブックスの20%オフクーポン(5千円以上)を使うためにAmazonウィッシュリストに入れていた本を購入。最近アイリスオーヤマの活躍を見聞きすることが増えたのでリストに入れていたもの。


Kobo】『閨閥 改定新版 特権階級の盛衰の系譜』神一行

楽天ブックスの20%オフクーポン(5千円以上)を使うためにAmazonウィッシュリストに入れていた本を購入。閨閥ホリエモンのフジテレビの買収騒動の件の記事をどこかで読んだ時にメモっていたと思うんだけど、これは著者が違うので別の本かしら。(本所次郎のものは未だ絶版でプレミア価格だった。)


Kobo】『アムンセンとスコット』本多勝一

楽天ブックスの20%オフクーポン(5千円以上)を使うためにAmazonウィッシュリストに入れていた本を購入。先月本多勝一の本を2冊買っていたところにこの記事を見つけて面白そうだったのでウィッシュリストに入れていた次第。

kj-books-and-music.hatenablog.com

 

 

2022年6月に読んだ本(6)

 

Kindle】『10分後にうんこが出ます』中西敦士

★★★★☆

小型の超音波デバイスで排泄予測をするアイデアで起業した著者による、いわゆるひとつの事業広報本。アイデアを思い付いた経緯から事業化までの奮闘が良い意味で若さ溢れる文章で記されている。刊行は2016年11月だけど、寡聞にしてこんな素晴らしいデバイスが商品化(商品名「DFree」)されているとは知らなかった。最近めでたく介護保険の対象になったようで、そのニュースを読んでこのデバイスと会社についてはじめて知った次第。起業体験記としても面白く、気取ったところのない体験談で赤裸々な起業の臨場感を感じることができる。タイトルにあるうんこの排泄予測は現時点でも難しいらしく、現在はおしっこの排泄予測のみのようだ。うんこの排泄予測の商品化には更なるAIの進歩など、なんらかの技術的ブレイクスルーが必要なのかもしれないし、脳波とか括約筋の筋電図とかもっと沢山の情報が必要なのかもしれない。おむつをきっかけにボケが進行するという話もよく聞くし、介護現場でも強い需要があることがわかっているので、粘り強く事業化にチャレンジして欲しい。上場したら微力ながら株も買いたい。

 

【単行本】『White Palace』Glenn Savan

★★★★

高校生くらいの時に本書の邦訳版を読んだ。邦題は「ぼくの美しい人だから」。ストーリーは、とある20代のイケメンエリート広告マンがハンバーガーのファーストフード店(White Palace(White Castleのもじりか?))でバイトしている40代のおばさんと恋に落ちるというか落とされるというか、いやいやいや無いでしょう、というくらい恋愛小説としてはチャレンジングな設定なんだけど、これが意外にもこれまでに私が読んだ恋愛小説の中で三本の指に入るほど忘れがたい印象に残った。英語を読むようになってから、昔翻訳で読んだ個人的名著の原書を、いつか読んでやろう!というていで電子版を買ったり、電子書籍が無い物はペーパーバックを入手して、細々と読んでいるのだけど、この度ついに本書のターンが来たというわけである。といってもそもそも読むのも早くないし、他に読んでいるものもあるので、ホントに一日数ページのナメクジのペースでチビチビ読んでいた。で、この度やっと読了。

何十年越しに読了した正直な感想は、あるよりのなし、かなぁ。20代のエリートサラリーマンが40代のフリーターと恋に落ちる展開は別にあり得ると思うし、本書はそこの機微を巧みに描いていると思うのだけど、問題はその流れから最後のシーンに到達するか否か?である。個人的には今回は「あるよりのなし」となった。というか、これは主人公の空想エンドなのでは?と少し思った。広告業界での仕事とそこでのクライアントとのやりとりとか、ニューヨークでの転職活動のうまくいかなさとか、主人公と相手女性の力関係の変化とか非常にリアリティをもって描かれていただけに、エンディングがちょっと気の利いた感じにまとめられているのと、その直前の就活成功シーンが主人公の語り一つに省略されている落差で、不遇な敏腕広告マンの妄想エンドのようにも感じられてしまった。まあまた何十年後かに読んだ時の感想は変わるかもしれない。

因みに個人的恋愛小説トップ3の残りの2作はジェーン・オースティンの「高慢と偏見」とアン・ライスの「肉体泥棒の罠」。ちなみに肉体泥棒は別にエロ小説じゃない(※ヴァンパイアシリーズの4作目)。ただ恋愛小説もそんなに数を読んでいないし、この3冊も20代頃までに読んでいて、それ以降の更新が皆無な感じなのでこのチョイスは恋愛小説の評価としてはだいぶピントを外しているかもしれない。

 

Kobo】『ハケンアニメ!』辻村深月

★★★☆

ハケンアニメ!の映画版がピョコタンのメンバーシップ交流会で話題になり、他所でも評判が良かったので見に行こうと思ったら小説が原作という情報を発見。

小説の映画化ってどうしても「原作>映画」な印象がないだろうか?私はある。どう考えても「果てしない物語」>「ネバ―エンディングストーリー」だし、ハリーポッターも「アズカバンの囚人」以外は割とひどい印象しかない。一方で、原作より上とまでは言わないものの、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」とか、川島雄三の「暖簾」とか、映画単体で見ても傑作と言える原作つき映画はそこそこある。これらの原作ありの映画の駄作・名作を分ける違いは一体なんだろう?

以前からそういった疑問を持っていたところに本作である。

果たしてハケンアニメ!の映画制作陣は原作をどう料理したのか?

という訳で、映画を見る前に原作小説を読んでみた、のだが…。

原作小説について率直な感想を書くと、そこまで面白いと思わなかった。アニメ業界で働く女性の群像ドラマを描こうとしているのはわかるのだが、恋愛の比重が大きすぎてアニメ業界の職業物としての読み物の楽しみを損なっているように思えた。特に問題に感じたのは物語のクライマックスである河永祭だ。この祭りの設定自体のリアリティもかなり薄いんのだが、それにもましてリアリティに乏しいのが祭りの直前に一艘の舟全体に絵をフルカラーで塗装するという展開である。まず作業量的に可能なのか?とか乾燥の時間は計算に入っているのか?とか読んでいて疑問が渦巻きすぎて小説全体のリアリティを損なっているように感じられた。この展開いる?

アニメ業界のリアルを描く上で「聖地巡礼」とそれに関わる地元の人々の絡みは欠かせないだろうし、それを盛り込んだのは慧眼だと思うのだけど、お気に入りのキャラクターの見せ場を作るために、物語のリアリティを犠牲にした展開を入れ込むのはいかがなものだろう。タイトルの「ハケンアニメ」の行方も盛り上がらず、最後は三人目の主人公の並澤和奈の恋の行方の方がメインになっているようで尻つぼみの印象が残った。

これが何故映画に?と思いながら奥付を確認してびっくり。本作は2012年から2014年にかけてananで連載された物に加筆修正した作品とのこと。確かに章立てが連作短編形式で連載作品っぽさがある。アニメ業界の話をananで連載していたのも驚きだけど、もう10年前の作品ということにも驚いた。

それにしてもなぜこのタイミングで映画化?

謝辞を見ると東宝川村元気の名前がある。川村元気と言えば「君の名は」から映画プロデューサーとしてヒット作を連発している。なるほどー、それで本書の映画化にも目を付けたってことか、と思った。個人的にこの小説はそこまでのお話とは思わないけど敏腕映画プロデューサーには凡人には見えないものが見えてたんだろうなー、さすがだなぁ、と早合点した。けど、よく考えたら最近のtohoシネマズの予告編タイムに「ハケンアニメ!」の予告を見た記憶無い。それもそのはず映画版の配給は東宝じゃなくて東映だった。

川村元気、関係無いらしい。

じゃあどういう経緯で映画化?

調べると吉本興業が本書を2019年に舞台化している。映画化はそちらの成功を受けてということだろうか?ただ吉本は今回の映画の製作委員会には入ってない。となると舞台と映画は無関係?しかし小説が世に出てから10年もたっているので、今回の映画化が直近の2019年の舞台と無関係とも思えない。

こういう時のWikipedia頼み。何かヒントが無いか映画版と舞台版のスタッフを見比べてみた。

するとスタッフで共通する人物が居た。

たった一人。

映画版と舞台版の両方で「制作進行の川島」を演じる大場美奈である。この「制作進行の川島」は舞台版のキャストではトップで主役っぽいのだが、映画版のキャストでは一番下。おそらくチョイ役。

これが意味するところはなんだろう?

舞台版へのリスペクト?

このキャスティングが舞台版へのリスペクトと思われる証拠はもう一つある。それは小説版の「制作進行の川島」が男性で、しかも1シーンしか登場しないキャラクターである事実。

「制作進行の川島」に「新人の」という形容詞と、アニメ業界を描くもう一人の主人公という立場を与えたのは舞台版なのである。(たしかに原作の小説にはプロデューサー、監督、アニメーターとそれぞれの立場で主人公が居るのに、制作進行が居ないのは片手落ち感がある。)

まあ私は映画どころか舞台もまだ見てないから決定的なことを言う資格はないんだけど映画化に直接の影響を与えたのは舞台版の成功が下敷きにあるのは状況証拠的に明らかのように思える。舞台版は残念ながら今のところ映像化もされていないし、再演の予定もなさそうなので当分見ることはできなさそうだ。しかしこういう背景が読み取れると舞台版もいつか見れるようになればいいなぁと思った。

それにしても映画化の前に舞台化が先行してるのは面白い。なんで私がこんなことにこだわっているかと言うと、小説原作の良質映画化のシグナルの一つに先行舞台化がある、という個人的仮説を持ってるからだ。サンプル数1(「暖簾」)だけど。

思うに舞台は原作小説の戯曲化において、映画よりも格段に大きな自由を与えられているのではなかろうか?ぶっちゃけ舞台なんか金にならんし見る人も少ないので好き放題できると、それが結果として時に良質の映像化へのプロトタイピングとなっているのではなかろうか。

ということを考えながら映画版を見て来た。以下映画の感想。

映画は小説の良いところを活かしつつも、リアリティより別の何かが暴走してしまった河永祭バッサリとカットし、ハケンアニメというタイトル通り二つのアニメ(「リデルライト」と「サウンドバック」)がワンクールで覇権を争うさまを最後の最後まで魅せてくれていた(河永祭をカットしたのは英断だけど、実写だと予算的にあれを撮影するのは厳しいという面も大きかったのかも)。何より素晴らしかったのはProduction I.G.が制作した高品質なモックアニメと、高い演技力で映画を支えた俳優陣だった。俳優では天才アニメ監督の王子千晴を演じた中村倫也が特に素晴らしかった。最初の対談シーンとハワイバレのシーンを寒くさせずに演じきったのはすごいとしか言いようがない。

映画版を原作小説に劣らない完成度にするには、やはりシナリオの大胆な変更と、実力のある俳優陣が必要ということだろう。舞台版も概要を見る限り映画へのシナリオ的な影響はほぼ無いと思われるけど、その飽くなき挑戦の姿勢が映画版の成功をインスパイヤしたと信じたい。舞台版のDVD/Bluerayが出たら買う。

 

【同人誌】『ルナチック』まおいつか

★★★★★

天才科学者が死んだペットのうさぎと再会するため月にテレポートするドロップを研究しはじめる。天才の名を欲しいままにしていた博士の評判は失墜し、かつては何十人もいた研究員も今や助手一人。ただ一人残っていた助手も、来週には隣町の研究所に転職を考えていると言う。そんな中ドロップは完成し、それを一息に呷った博士は、死んだうさぎの待つ月へとテレポートして行くのだった……。

お話は上にリンクしたTwitterで全部読めるのだけど、手元に欲しくて同人誌版をピョコタンチャンネル交流会のよしみで購入させていただいた。(同人誌版は市場にはもう出回っていないと思われる。)本作の魅力はなんと言っても「天才科学者」ことDr.モモ。眉毛と目玉が一体となった独自のキャラクターデザインもかわいいのだけど。研究室に机があるのに実験器具を床に並べておままごとのように研究しているところや、月に旅立つための準備が、オーバーサイズの外套や麦わら帽子だったりするなどのディテールが絶妙でかわいい。死んだうさぎに会うために地球を捨てて月に転生するという物語も寓話的でビタースウィートな味わいがある。ムーンドロップが何を暗喩しているのかと考えると、かわいらしい表装とは裏腹の闇が際立ち、それもまた本作の隠し味として味わいを深くしている気がする。ラストカットも美しくて幸福感があり、静かな余韻を与えてくれる。繰り返しの読書に耐え得る名作。

 

【同人誌】『まほうのじかん』まおいつか

★★★★☆

根暗で友達の居ない魔法使い「スカート長杉さん」こと利根崎さん(とんちゃん)と、引っ込み思案だけどクラスの人気者みふゆちゃんの交友を描いた短編。利根崎さんの使える魔法がささやかでとてもいい。失せ物探しなど、ちょっと実用的なこともできたりして、それをきっかけに人気者のみふゆちゃんともお近づきになれるんだけど、大人になるにつれて魔法の力を失い、みふゆちゃんとの交友関係も切れて(切って)しまうという展開も好きだ。とんちゃんが活躍するお話をもっと読みたいと思った。

個人的にモヤモヤしたのはとんちゃんとみふゆちゃんの二人のあまりにもアンバランスな格差である。とんちゃんはみふゆちゃんにとって大好きで自由なバイキンまんのようであり、人生のくびきを解き放ってくれたアンパンマンのようなヒーローでもあるのだけど、それをきっかけに二人の関係は途切れてしまう。とんちゃんは魔法も失って細々と孤独に暮らす一方で、みふゆちゃんはテレビでも人気者になり、とんちゃんらしき昔の「魔法を使えた」友達について少しエピソードトークをするだけという天と地の格差に着地するのである!

個人的にとんちゃんとみふゆちゃんでは圧倒的にとんちゃんの方が好ましいし、とんちゃんとみふゆちゃんの関係性に置いて、みふゆちゃんは何も悪くないのだけど何も良いところも無く見えるのに、みふゆちゃんだけがなんの努力も苦労も無く、圧倒的に良い目を見ているのが読者としてストレスを感じてしまうくらいだ。とんちゃんがそんなみふゆちゃんを、この期に及んでも好きなような感じなのがまた闇でもある。個人的な解釈ではとんちゃんはみふゆちゃんが恋愛的に好きなのだと思うのだけど、そういった何か納得感のある「答え」のようなものがエンディングで与えられるわけでもないので、モヤモヤが二重に残るラストである。例えばとんちゃんは愛に殉じた殉教者で、そのことによって実は魂が救われているのです、みたいな答えがあると個人的には救われた。とにかく誰かに(お花さんとか蝶々さんでもいいから)とんちゃんを大肯定してあげて欲しい気持ちになるラストだった。

本作には「A secret story for two people」という小冊子が付属していて、これを見る限り物語は続いていくようである。個人的な願望としてはとんちゃんにはみふゆちゃんのことなんかすっかり忘れて、何か人助けのようなことで毎日忙しく、幸せに暮らしていて欲しい。

 

【同人誌】『またね』まおいつか

★★★★

夢だった小説家になるために30才を機に仕事をやめたふゆこが、学生時代に唯一小説を認めてくれていた友達のあきちゃんと再会する。あきちゃんは既に結婚していて男の子が一人いる。ふゆこは退職後3年たつが小説家としての芽は未だ出ず。8年ぶりの再会で盛り上がる二人だが、ふゆこは少し取り残されたように感じる。あきちゃんはまるで学生時代と変わらないかのようにふゆこの挑戦を応援し、ふゆこが昔と変わらないことを喜ぶ。ふゆこもあきちゃんが昔と変わらないと言葉を返すが、もちろんそんなことはないのであった……。

駅のホームからあきちゃんを見送るシーンは、平凡だけど暖かな幸せ、自分が選ばなかった未来への惜別のようにも思えるのだけど、作中でふゆこが小説家としてデビューするための努力や、なんらかの明るい展望が描かれているわけでは無いので、ただのワナビーが現実の厳しさを思い知らされ、それをただ噛みしめさせられているだけの非常に辛い場面に見える。これがシリーズ物の第1話の引きで、ここから人生の大逆転がはじまるなら強いのだが、物語からふゆこの人生が好転するきざしが全く感じ取れないので読者としてつらい。せめて最後のページで、机に向かうふゆこの姿などの描写があると、読者としては応援する気持ちになれたのではないかと思った。

あと、西日暮里のフィレンツェが登場するのはピョコタンファンとしてはポイントが高い。

 

【DMM books】『水滸伝 五 玄武の章』北方謙三
【DMM books】『水滸伝 六 風塵の章』北方謙三
【DMM books】『水滸伝 七 烈火の章』北方謙三

★★★★☆

五~七巻の三冊の主軸は、旅を続けたい宋江と、宋江をなんとかして捕まえたい青蓮寺の攻防である。もちろん宋江は最終的に梁山泊に入るわけだけど、そこに至るまでには沢山の紆余曲折があり、多くの出会いと別れが描かれる。個人的に武松、李逵宋江の三人組の旅は目先が変わってロードムービー的楽しさがあったし、戦闘描写もより個人の武勇にフォーカスした爽快感重視のものが多くてスルスルと読めた。

だんだん面白くなってきた。

 

総評

六月は調子に乗って本を買い過ぎたのでプラス4冊の増量。読書も他のことで忙しく、週末にあまり本を読む時間が取れなかったのが痛い。諸事情でブログを書くPCの環境も変わってしまい、なかなか読んだらサッと書く、という態勢が取りづらくなったのでブログ更新も時間がかかってしまった。ちょっとした敷居の上がり方で毎日書いていたコメントが、明日でいいや、週末でいいや、とどんどん先延ばしされ、さらにコメントを書くのがおっくうになるという悪循環だった。毎日気軽に書ける態勢は整えたので、これからは出来るだけ毎日書くことにする。