積読ダイエットチャレンジ(残1519冊)

日々積み上がる積読メタボを2030年までに解消するレコーディング読書ログ

2022年5月に買った本(14)・読んだ本(10) ↑4冊増量

2022年5月に買った本(14)

Kindle】『The Cruelest Miles: The Heroic Story of Dogs and Men in a Race Against an Epidemic』Gay Salisbury, Laney Salisbury

1925年、アラスカで発生したジフテリアを終息させるため、総行程1100kmをリレーし、血清を運ぶ犬ぞりチームが組まれた。ラストランナーの犬ぞりを牽引したバルトはニューヨークのセントラルパークで銅像になり、1996年にはアニメーション映画化もされたが、最も長く困難な工程を担当したトーゴーは長く脚光を浴びることが無かった、ということでディズニーが2019年に実写映画化(『トーゴー』)。ディズニー+で見て面白かったのでこの事件をネタにした書籍を購入。なお映画の原作では無い様子。


Kindle】『パリピ孔明(1)』四葉夕卜, 小川亮

アニメがバズっていたのでタイトル自体は知っていたのだけど、あまり興味がわかなかったところ、Youtubeの李姉妹チャンネルでかなりポジティブに紹介されてたので購入。予想に反して中国人受けがすこぶる良いというのが面白い。

 

Kindle】『40代漫画家 原稿料は月5万…副業のユーチューバーでの月収20万!!』ピョコタン

ピョコタンの新刊なので購入。

 

Kindle】『日本三國(1)』松木いっか

漫画紹介系YouTube チャンネルのマガゾンで紹介されてて興味を引かれたので購入。マガゾンはゆっくり(Softalk)ボイスなので正直あんまり聞きたくないんだけど、煽りのサムネ作りが上手くてつい見てしまう。

 

Kindle】『まほり 下』高田大介

上巻が面白かったので下巻を購入。

 

Kindle】『アラビア遊牧民本多勝一

前から読みたい本でセールだったので購入。遊牧民って憧れる。

 

Kindle】『カナダ・エスキモー』本多勝一

これも前から読みたい本でセールだったので購入。

 

Kindle】『超・臆病者のための株の教科書 草食系投資家YouTuberが教える』草食系投資家LoK

これもセール。著者の草食系投資家LoKは最近見ている投資系Youtuberの中でもトップクラスに説得力が高いので購入してみた。

 

Kindle】サバイバル猟師飯:獲物を山で食べるための技術とレシピ』荒井 裕介

セールだったので購入。猟師アンド飯が面白くならないわけない。

 

Kindle】『改訂新版 大日本帝国の海外鉄道』小牟田 哲彦

セールで購入。満鉄の話かな?こういうテーマを絞った近代史物は財布のひもがゆるくなる。

 

Kindle】『兵站―重要なのに軽んじられる宿命』福山隆

若いころに銀英伝にハマった人はこの言葉に弱いはず。セールだったので購入。

 

Kindle】『マンガ版 神社のいろは 神社検定公式テキスト』日本文化興隆財団

高田大介の「まほり」を読んでいるからではないけど、神社や神道についてほとんど知らないので購入。これもセール。

 

Kindle】『米国共産党調書』江崎 道朗

第二次世界大戦前に日本の外務省が作っていた資料らしい。ソ連アメリカにどんな工作をしていたのかの分析したもののようだ。セールだったし評価も高かったので購入した。

 

Kobo】『政治学者、PTA会長になる』岡田憲治

こういう体験記は絶対面白いやつと思ってAmazonウィッシュリストに入れて、購入は先伸ばしにしてたんだけど、楽天ポイントが5月で1000ポイント失効するのに気づいて、それならと楽天ブックスで購入した次第。楽天ブックスはポイントの他にもクーポン配布が多くセールでない本も割安で買えるのでこれから和書の新刊購入は基本楽天ブックスにしようと思う。

 

2022年5月に読んだ本(10)

Kindle】『夫婦善哉』織田 作之助

★★★

船場物と思ってダウンロードしてたのをやっと読了。タイトル自体は昔から知っていて、子供の頃に映画をテレビで見たようなおぼろげな記憶がある。台所の小さいテレビの中で白黒の若い森繫久彌と淡島千景が二人仲良くぜんざいを食べていていた。それこそおしどり夫婦みたいなイメージ。以来「夫婦善哉」というタイトルには漠然とした古き良きイメージを持っていたんだけれど、原作を読むとそれがとんでもない勘違いだったことがわかった。とにかくこの柳吉という男がクズ。クズはクズなりに魅力があるものだけど、柳吉はクズとしての魅力にも乏しいので救いがない。そして舞台も船場ではなくいわゆるミナミの方だった。作中で関東大震災の描写があるので時代的には大正末期から昭和初期と思われる。その当時の大阪はミナミの風俗が非常にイキイキと描かれているので当時の風俗を知るには最適の一冊ではある。船場もミナミとの対比で理解が進むこともあろうかと思えるのでこれはこれで有益。

 

Kindle】『パリピ孔明(1)』四葉夕卜, 小川亮

★★★☆

ハロウィーンの夜、現代の渋谷交差点に異世界転生した三国志の英雄、諸葛孔明。渋谷のパリピ孔明のガチコスプレイヤーと思われて意気投合、なだれ込んだクラブで歌は上手いがなかなか芽の出ない新人歌手と出会い、彼女の歌に天性の魅力を感じた孔明は彼女の軍師(プロデューサー)となって彼女の歌を天下に知らしめることを新たな人生の使命と定めるのであった、という感じの物語。三国志ネタを随所に込めてあるらしいのだけど、三国志については通り一遍の知識しかないのであんまり拾えなかった。孔明はさすが知力が高くて現代社会にもすぐ順応するんだけど、あっさり行き過ぎていて肩透かし感がある。もっと壮大な勘違いとかしてほしかった。頭良すぎてバカみたいなやつ。三国志当時の日本は邪馬台国だったので、その頃の倭人のイメージとの落差に驚く描写とか、もっと時空間のギャップを活かしたネタを個人的には見たかった。最大の残念ポイントは新人歌手の女の子が今のところ主役級のキャラクターとして少々物足りないところ。男性読者向けと思われるお色気描写は多いんだけど可哀想なくらい滑っている。読んでいてまったくうれしくならない。お色気で男性読者の関心を釣ろうとするより、もっとキャラクターとしての掘り下げがあった方が興味を持てたような気がする。たとえば才能はあるけど売れてない歌手は沢山いるはずで、彼女がその中でもなぜ売れていないのかをもっと掘り下げる。肝心なオーディションでは緊張してうまく歌えないとか、マネージャー気取りのダメ親族がいるとか、セクハラプロデューサーの誘いを断ってからずっと干されているとか、何故か司馬懿の悪霊に呪われてるとか。その売れない原因が孔明クラスの人物でなければ解決できないものであれば話の展開的にももっとハマるのではなかろうか。それかもういっそ毎回依頼人を変える漫遊記物にして、日本全国津々浦々の事件・お悩みを解決していくフォーマットにするとか。いや、それじゃ水戸孔明、いやパリピ黄門になっちゃうか。しかしこれまでのところ大した理由もなく、トラブルも孔明じゃなくてもよくない?というレベルの話なので、ワンアイデア異世界転生無双もの以上の感想が持てなかった。音楽が重要なポイントということもあり、アニメの方が楽しめる作品かもしれない。

 

Kindle】『40代漫画家 原稿料は月5万…副業のユーチューバーでの月収20万!!』ピョコタン

★★★★

ピョコタンの久しぶりの新刊ということで即買い。ファンなので問答無用である。コロコロアニキで連載していた作品の電子書籍化とのことなのだが連載は既に終了済。残念。コロコロアニキは買っていなかったのですべて初見で楽しんで読めたのだけど、メッセージ自体はピョコタンチャンネルをほぼ見ているファンには目新しいところは無かったかもしれない。また物語の構造としてYouTube を始めるのが担当編集者で、ピョコタンはそのアドバイザーという立ち位置なのも物語の引きを弱くしている気がする。この構造自体はこの漫画のメインテーマと思われる「Youtuberを始め、そした続けるためにフォーカスすべきポイント」が明快にまとめられるという利点はあるので頭ごなしに否定は出来ないんだけど、ファンとしてはピョコタン自身を主人公にして「底辺YouTuber」としての地位を確立させるまで経緯を物語にすればもっと長いお話が読めたかもしれないのに〜と残念な気もした。そもそもハナから短期集中連載という構想だったのかもしれんけど。あと、ピョコタンというとてっぺんつるっぱげの眼帯おじさんが自身のキャラクターとして定着しているが、こちらの漫画ではよりリアルに寄せたかわいい感じのキャラクターで個人的には断然好き。もうこのキャラクターに移行しても良いんじゃないかと思う。ピョコタンの漫画をまた読んであらためて感じたのが、ピョコタンの漫画は充分に面白いし役に立つのだけど、やはりシンプルなわかりやすさを貫いているためにピョコタンYoutube動画にあるような微妙なニュアンスのある味わいが薄まっている気がする。ピョコタンの漫画絵には現実のピョコタン自身が持っている癖になるような魅力が少ないのだ。そのため何度も読みたくなる気持ちにあんまりならないというか。動画配信者としての才能も強いピョコタンにとって、動画でも出来るネタをあらためて漫画でやる意味はあんまり無いというのは本当かもしれない。ピョコタン自身何度も言っているように、投下コストに比べてリーチできる層が少ない雑誌連載の漫画は、当たれば青天井のYoutubeの動画配信に比べて圧倒的にコスパが悪い。個人的にはピョコタンには今後も漫画は描き続けて欲しいと思うのだけど、自分を主人公にした漫画だと動画配信にコスパで勝てないとすれば、やはり美少女キャラとかかわいい動物キャラを主人公にした漫画など、漫画でしか出来ない表現を開拓するのが新しい方向性なのかもしれない。この漫画のピョコタンキャラはかわいいのでこのかわいさを伸ばす方向性もありかな。

 

Kindle】『日本三國(1)』松木いっか

★★★☆

漫画紹介系YouTube チャンネルのマガゾンで紹介されてたのを見て即買いした。なので掴みはとても良いし、実写寄りの絵柄と表情描写の巧みさは新鮮で魅力的なのだけど、その後のストーリー展開がなんというか、雑なんだなぁ。そうはならんだろうっていう展開を、絵の上手さと登場人物の「その手があったか!」みたいなびっくりモノローグで押し進める強引さは好みがわかれると思う。でも2~3年後に菅田将暉主演で映画化されてそう。金のニオイを出す企画力、一般受けしそうな魅力的な画力、見せ場を作れるハッタリ力など漫画家としての才能は随所に感じるので今後に期待。

 

Kindle】『まほり 上』高田大介

Kindle】『まほり 下』高田大介

★★★★★

kadobun.jp

この記事を読んで上巻を購入して早数か月、やっと読み始めたらこれが面白くてページを繰る手が止まらない。第一章の少年が不思議な少女と山中で出会うエピソードは昭和っぽい手触りがあり、いつの時代か見極めかねていたところ、その次の章から突如別の人物を主人公にした大学でのエピソード(明白に現代)がはじまる。二章の主人公は一章の少年が成長した姿なのか?それとも二章の主人公の父親なのか?二つのエピソードの関連についてかなり戸惑いを感じたんだけど、都市伝説の調査研究の話から具体的な都市伝説の話に入るとそんなことはどうでも良くなるくらい面白くなった。主人公はとある個人的な理由からある都市伝説の真相究明にのめり込んで、実地調査と文献調査の二つでことの真相に近づいていくのだけど、文研調査パートはアカデミック色が強いので楽しめるかどうかはかなり人を選ぶ気がする。しかもバランス的に8割が文献調査パートなので合わない人には徹底的に合わないだろう。ただ文献調査パートのサイドストーリーとして元同級生との恋の話もあるので、苦手な人はそこだけの興味で我慢して読んでもよいかもしれない。というかそこであきらめて最後まで読まないのはもったいなさすぎる。古文書がそのまま出てくる部分もあるが、解説もあるし、どうか投げ出さず最後まで読んでほしい。個人的にはこういうの読みたいと思っていたので非常に楽しめた。民俗学的ミステリーの構成として、物語の緊迫感を高めるためにオカルト要素や殺人事件といった非日常的な要素を絡めることが多い。個人的にはそういうのも大好きだけど、本書はそれらとは一線を画している。なんといっても都市伝説が差別的な視線を含むことに言及して、ことの真相について調査するその行為自体の倫理性について触れているのが極めて現代的。ただそういった政治的に正しい観点を示唆しつつ、同時に民俗学的伝奇小説としてエキサイティングなクライマックスを描くことができるのか?あくまで現代的にリアルで日常的な世界を構築しながらエンターテインメントとしてしっかりと成立するクライマックスをどう描くのか?物語がリアルになればなるほど、少しの展開の逸脱で「ないわー」となるわけで、本書はほんとうにその絶妙なラインを通り抜けてラストに到達したのが素晴らしい。タイトルの「まほり」は意味がわからんし、キーワードとして頻出する「ジャノメ」にした方が良いのでは?と上巻を読了した時点では考えていたんだけど、下巻を読むと「まほり」しかありえないことがわかるのもすごい。クライマックス直前の言語学者による謎解きはあざやかだった。本書は民俗学的伝奇小説として一つの頂点を極めた作品と言って決して言い過ぎにならないと思う。ただ人は選ぶのは間違いないんだなぁ。

 

 

【DMM books】『水滸伝 一 曙光の章』北方謙三

【DMM books】『水滸伝 二 替天の章』北方謙三

【DMM books】『水滸伝 三 輪舞の章』北方謙三

【DMM books】『水滸伝 四 道蛇の章』北方謙三

北方謙三出世作のハードボイルド物は全く読んだことないんだけど、中国物は過去にかじったことがあり、割と好印象を持っていた。DMMが70%オフのキャンペーンをやった時によい機会だと思って北方謙三の中国物のシリーズをいくつか買ったうちの一つが水滸伝シリーズ。ずっと放置してたんだけど小説読書強化月間をスタートさせたので読み始めた。とりあえず4巻まで読み進めた感想は、たしかに面白いのだけど原著の水滸伝にどこまで依拠してどれくらい逸脱してるのか知りたいという欲求が高まっている状態。我慢できずに何度か検索して欲求を癒しているんだけど、不幸な先行きは決まっているのでどうせなら反三国志みたいに鬱展開はぜんぶ捨てて歴史を塗りかえてくれないかなぁと思ってしまう。そもそも原著を相当逸脱しているのだから結末を書き換える逸脱がNGな理由が読んでいるとわからなくなってくる。その線引きってなんだろう?とは言え「水滸伝」と名乗っている以上、守らなければならないプロットというものがあるのだろう。たぶんそのせいか読者から見て登場人物が謎の行動をしているように感じられるところもある。大きなところでは宋江梁山泊にすぐ行かないのはなぜか?とか、その後なんとなく各地の反乱勢力と繋ぎをつける意味があることがわかるんだけど、特に梁山泊晁蓋とコミュニケーションも無いので、これが阿吽の呼吸というやつかと納得するしかなさそうだった。細かいところでは宋江の人間的魅力も周囲の人間がここがすごい、あれがすごいと言っているだけのように見えて、いまいちそこまで魅力が伝わってこないきらいがある。北方謙三宋江はそんなに好きじゃないのかもしれないな。魯智深とか梁山泊に参加しない王進とかの方が断然魅力的に描かれている。続巻に期待したい。

 

総評

今月は快調に読めていたので油断して本を買いすぎた。結果4冊の増量という苦しい結果に。セールは危険。 Amazonだとよく知らない本を評価が高いとつい買ってしまう。今後はしばらく楽天ブックスKoboをメインに使おうと思う。