積読ダイエットチャレンジ(残1519冊)

日々積み上がる積読メタボを2030年までに解消するレコーディング読書ログ

2022年2月に買った本(2)・読んだ本(3)↓1冊減量

2022年2月に買った本(2)

今月は忙しくてほとんど本も買ってない。こういう月もある。

 

【単行本】『うらおもて人生録』色川武大

麻雀放浪記は読んでいるけど色川武大名義の作品はあまり読んでいなかった。昔何かのエッセイ集を読んだかも?程度の認識だったんだけど、この記事を読んで面白そうだったので購入。電子版もあったが全集で少しお高いので単行本を購入した。

president.jp

 

【ペーパーバック】『Gaslight Equipment Catalogue (M.U. Library Assn. monograph, Call of Cthulhu #0319) 』R. Basler

Jack LondonのPeople of the Abyssを読んでいたらNeo Victorianなシナリオを作りたくなったので資料として購入。 

 

2022年読んだ本(3)

Kindle】『廃市・飛ぶ男』福永武彦

★★★

高畑勲の「柳川掘割物語」でも取り上げられた柳川市を舞台かモデルにした短編「廃市」を読みたくて購入したものの、文庫でも持ってることに後で気付いた。廃市は大林宣彦の映画が印象的だったので期待感高目で読み進めたのだがそれが裏目だったのか、いまいち乗り切れず。作者は死にゆく町の退廃、といったニュアンスを出そうとしていると思うのだが、コアになる物語の引きが単なる恋愛関係のもつれにしか見えないので、ネタばらしでどっちらけてしまった。因習と悲恋は相性が良い気がするのだが、どうでも良いことで死ぬの生きるのと言っているようにしか受け取れなかった。ちなみに収録作品で一番印象に残っているのは「飛ぶ男」。後半の都市崩壊シーンがなんか大友克洋っぽい。大友克洋のアニメーション作品になってておかしくないカタストロフ感があり、こちらは全く期待していなかっただけに楽しめた。

 

Kindle】『Lassie Come-Home』Eric Knight

★★★★☆

名犬ラッシーの原作小説。実は子供の頃コリー犬が飼いたくてしかたなかった。それは本作のドラマ「名犬ラッシー」をどこかで見たからなんだけど、見たのが小さい頃すぎたため内容については全く記憶に無かった。思い出の中では大草原の小さな家と完全にごっちゃになっており、Wikipediaで調べるまで名犬ラッシーNHKで夕方に放送されていたと勘違いしていた。日本での放送は民放だったらしい。Youtubeでテーマ曲も聞いてみたけど全く記憶にないのでひょっとしたらちゃんとした番組を見たことは無かったのかも。Jack LondonのWhite Fangを読んで動物文学の魅力を再確認した時に、そういえば名犬ラッシーって原作があるのでは?と思い付き検索したところ発見という流れだったので、買ってすぐに読み始めた。White Fangがスリラー映画的なはじまりだったのに対してこちらは世界名作劇場的な雰囲気が濃厚。たぶんラッシーを飼っていたのが炭鉱夫の一家だったり、それを買い上げたのが貴族の頑固爺さんだったり、その頑固爺さんに小生意気な孫娘がいたりと世界名作劇場にうってつけのキャラクター設定なのが大きいかもしれない。貴族の頑固爺さんの孫娘がラッシーの脱走に大きな役割を果たしていたり、その決定的なシーンを映像的に描いているのもドラマチックだ。ここはベイブの牧羊犬コンテストの最後でおじいさんが掛け金を落とすシーンを連想した。掛け金を落とす小さな音が観客席まで響き渡るあの名シーン。こういったシーンは作品中にいくつもあり、極めてドラマ向きの小説だと思った。しかも話をいくらでも膨らませて続けられる股旅ものという構成。これは最強。道中ラッシーが出会う人々の描写も多種多様ながら当時の英国を活写していて良い。個人的にはスコットランドイングランドを隔てる川を渡ったあとに出会う老夫婦のエピソードがじんと来た。オリジナルのシリーズはシーズン19まで続いたとwikipediaにあるので、さもありなん。その割に実際に名劇化された時に途中で打ち切られたのは残念と言うほかない。ただポテンシャルは高いのでシーズン19まで続いたドラマシリーズを研究して、美味しいところだけより抜いて再度アニメ化してもよさそうな気はする。

 

【単行本】『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』河野 玄斗

★★★

クイズ王伊沢拓司の「勉強法大全」とどっちが先なのか調べたらこっちの方が半年くらい早かった。こちらは東大医学部在学中に司法試験合格という輝かしい経歴を背景にしての勉強法出版なので、個人的にはよりブランド力が高い気がする。ターゲット読者層はやはり受験生らしく、受験勉強の勉強法についてがメインである。特に前半部分は受験勉強に対するモチベーションをいかに維持するかについてかなりのページが費やされていた。受験勉強なんかやりたくてやっている人はそんなにいないので、モチベーションの維持が重要になってくるということだろう。それぞれの科目の攻略法についても具体的な参考書名が挙げられるなど、かなり具体的なノウハウが語られているので受験生にはうれしいのではなかろうかと想像する。著者は医学部卒の司法試験合格者とは言え、法律知識のある医師ではなく、医師資格のある法曹を目指しているらしい。ただwikipediaで見るかぎり司法修習は受けていないようだ。著者はその後数検や英検なども1級を取得し、現在は公認会計士資格にもチャレンジしているらしい。資格コレクターと化している感がある。もったいない気もするが、試験に強いという才能を活かしているということだろうか。いずれそれらの経験を活かして更にアップデートされた勉強法本が上梓されるのかもしれない。勉強法本としての本書は個々の科目の具体的な勉強法にフォーカスした結果、広い意味での勉強法について普遍的な目線が薄くなっているように思う。資格コレクションが一通り終わり社会での実務経験を積んだ著者がどのように勉強法をアップデートして見せてくれるのか楽しみである。

 

2月の感想

今月は期限ありの用事があり、そちらに時間をだいぶ取られた。実際に費やした時間はそれほどでもないんだけど、一区切りつくまで気になってしょうがないというか、常に頭の一部をその事が占拠している状態なのが厄介だった。したがって本もほとんど読めていない。この状況はしばらく続くので3月もあまり本を読めないかもしれない。まあこういうこともある。そんな中でもとりあえずマイナス1冊は達成したので良しとする。