積読ダイエットチャレンジ(残1519冊)

日々積み上がる積読メタボを2030年までに解消するレコーディング読書ログ

2022年1月に買った本(6)・読んだ本(6)増減無し

2022年1月に買った本(6)

新年だからというわけでは無いけど、楽器練習本(フィンガードラム)とお絵描き練習本を買った。練習を習慣化できるかがキモである。楽器練習は経験があるし、継続も出来ているので多少の目途が立つけど、お絵描きは何度も挫折している鬼門だ。今年はなんとか挫折せずに続けられますように。あと今月はそんなにセーブしたつもりもないんだけど月間購入冊数が最少記録を更新。この調子で今年は買う本を抑え気味に行きたい。

 

Kindle Unlimited】『DTMerのためのフィンガードラム入門 「指ドラム」のはじめ方と練習方法がわかるガイドブック』スペカン

Ableton Push2を買ったので、せっかくだからフィンガードラムを学ぼうということでセレクト。

 

Kindle】『風水で読み解く日本史の謎』

風水本は蔵書にあるのを読むまで新しいのを買わないつもりだったんだけど、安かったのでつい買ってしまった。風水はインテリア関係は多いけど、地形・地勢にフォーカスしたものはあまり無い気がする。

 

Kindle】『漂流』吉村昭

『映画 テレビ シナリオの技術』の脚色の章で著者が東京ー大阪間の新幹線で夢中で読んだ小説(脚色をオファーされた)として、無人島に漂着してアホウドリを食べて生き延び、十数年後に自力で舟を作って生還した人の話を紹介しているのだが、結局脚色の話がポシャッたせいかタイトルが明かされていない。検索して調べたところどうやらこの本らしいということで購入。吉村昭は骨太でいい。

 

Kindle】『会って、話すこと。――自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術』田中 泰延

わたしはコミュニケーション術関係の本を買う敷居がだいぶ低いと思う。この本は「自分のことも話さない、相手のことも聞きださない」というコンセプトが面白いと思ったのでAmazonレビューで一部酷評されているのが気になったが購入してみた。

 

Kindle】『まほり 上』高田 大介

これを読んで購入。面白そう。

kadobun.jp

 

【単行本】『たてなか流クイックスケッチ』立中順平

お絵描きは何度かチャレンジして挫折してきたスキルの一つで、再チャレンジを考えていたところ評判の良いお絵描き本を見かけたのでまた購入してしまった。本書はkindle 版もあるが、iPad でお絵描き練習しようと思っているので敢えて単行本版を購入した。

 

2022年1月に読んだ本(6)

今月の収支はプラマイゼロ。本当はもう一冊読める計算で読みかけの短編集を数カ月のインターバルを経てKindleで再開していたんだけど、最初の方の何作品かを読まずに飛ばしていたのをすっかり忘れていた。月末に最後まで読んで目次を見直してたら読んだ記憶の無い話が三つくらいあるのに気付いて後の祭り。文学よりの短編小説だったので読むのにやたら時間がかかるし、計算を見誤ってしまった。まあ別に読了数を稼ぐために本を読んでいるわけではないのでいいのだ!

 

【DMM Books】『アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール』ブライアン・クリスチャン、トム・グリフィス、 田沢 恭子

★★★★★

これは電車の中だけで読んでたため読了までやたら時間かかった。実はまだ注を全部読めていない。注は章の終わりごとにも記載されていたのだが、それに収まらなかったものが巻末にどっさりあった。個人的には多少流れはぶった切っても注はこまめにまとめてあった方が好ましい。いきなり苦言からはじめてしまったが、これは名著。まず日常的に現れる諸問題についてのアルゴリズムが手際良く紹介されていて、しかもそれが門外漢にも網羅的に感じられるほどバラエティに富んでいる。例えば最適停止問題は「理想の結婚相手を見つける方法」みたいなテーマで私も何度か聞いたことがあり、あー「何人見逃して、それ以降に出会う最高の相手を選べ」みたいなあの話ね、と思ったら細かい条件の違いで様々なバリエーションがあり、しかもそれによって最適な戦略も異なるということが非常に詳しく、かつ歴史も含めて紹介してくれている。問題の解法だけでなくそれにまつわる研究がどのように発展したかもわかるようになっている。その上これが様々な問題とそのアルゴリズムについて行われているので、アルゴリズムの全体像はこれを読めばだいたい把握できるのでは?と思わせてくれる。ランダム選択の意外なまでの強さとか、解けない問題を「緩和」して一旦解いてみてそこから解法をさぐるとか、読んでいてなんとなくエキサイティングなことが沢山書いてあった。電子書籍版読了後に文庫版も買ったので今後最低7回は読むつもり。やっぱり星5を付けた名著は7回は読みたいね。

 

【単行本】『映画 テレビ シナリオの技術』新井一

★★★★★

これは名著。なぜかというと『映画 テレビ シナリオの技術』というタイトルそのままの内容が、非常にわかりやすく具体的に書かれているから。タイトルから期待される内容がそのままブレずに提供されている本は名著以外の何物でもない。羊頭狗肉ならぬ羊頭羊肉。素晴らしい。刊行は1986年なので非常に古いのだが、映像による物語の作り方という根幹は変わらないため現在でもなるほどと思える記述が多い。ただ本書ではタイトル通りテレビか映画を目標とした脚本作成方法と、それを作成する能力を鍛えるためのトレーニング法など主な内容にしているため、それ以外の媒体(Youtube, TikTokなど)を目標にしている場合は別途ほかの書籍や動画にあたった方が良いかもしれない。ただ映像で物語を語るということをテーマにするなら媒体が何であれその根幹は変わらないので本書は非常に使える参考書になりそうだ。本書の特色は脚本のトレーニング方法として「20枚シナリオ実習」を提案しているところだ。なぜ50枚でも100枚でもなく20枚なのか?は、20枚あれば一つのシークエンスが過不足なく描けること、20枚を楽に書けるようになればシークエンスの積み重ねであるテレビや映画の仕事も楽に書けるようになるという点が挙げられている。またシナリオ教室という制約の多い環境で、教師から適切なフィードバックを短いサイクルでもらうため、という側面も大きいようだ。著者は週に2本20枚シナリオが書けるようになれば著しい実力の向上が望めるとしている。私はこういう修行みたいなのが好きなのでやってみたくなった。ただ週に20枚を2本は仕事を辞めないと無理だと思うので現実的ではないなぁ。個人的に本書で面白かったのは2章の「映画製作の工程」だ。これは脚本家が映画製作の工程全体でどういった役割を担っているのか?のJob Descriptionを行い、脚本家志望者の持っていそうなイメージ・認識とのすり合わせを行っている章なのだが、1986年当時のテレビ業界事情が垣間見れて良い。たしかに昔は単発の2時間ドラマ枠が結構あったような気がする。今もあるのかわからないが、減っているのではなかろうか。テレビで脚本家がデビューする敷居は昔より上がっているのかもしれない。とは言え現代はテレビや映画以外の道があるので作品を発表する敷居は大幅に下がっている。映像作品を作りたい人には非常にいい時代になってきている。そういった層にも本書のコア部分は有用と思う。

 

Kindle】『勝ってる投資家はみんな知っているチャート分析』福島理

★★★☆

テクニカル分析で使うチャートと売買シグナルについて全般的に概説された本。それが知りたくて購入したので必要十分という感じ。テクニカル分析で勝っている投資家のインタビューとかも読みたいと思ったのだが、それは本書の任ではなさそうだ。漫画も含めて全体的にスマートにまとまっているのだが、個人的には西原理恵子以外のイキの良い若手でもっと個性的でアクの強い漫画家と組んでた方が面白くなったのではないかと思ったけど、それもやっぱり任ではなさそうではある。

 

【文庫】『にあんちゃん』安本末子

★★★★

むかしスカパーの日本映画専門チャンネルで古い邦画を見まくっていた時に、偶然今村昌平の映画「にあんちゃん」を見た。話はおぼろげにしか覚えていないのだけど、どことなく宮崎駿の映画を彷彿とさせる、爽やかながらコミカルな感じがあり、宮崎駿のインスピレーションの一つかもしれないと思い印象に残っている。ちなみに同じ感じを期待して今村昌平監督の作品をその後何作か見たのだが、期待してたのと全然違っていた(別に嫌いではない)。そんな印象深い映画に原作があるとは知らなかったのでAmazonで偶然発見して思わず購入した。残念ながら電子書籍版は無いようだ。元々は作者の安本末子氏が小学生の時に書いていた日記を後年長男(にあんちゃんではない方のお兄さん)が出版社に持ち込んで書籍化されたものらしい。詳しい経緯は本書のまえがきに書いてあるが、出版にあたって編集された部分はあったとしても、一介の小学生4~5年生が書いていた日記が書籍化されるというのは尋常な事では無い。一体この日記の何が特別なのか?まず外形的なところを記述すると、日記は炭鉱町に住んでいた小学4年生の女の子、安本末子さんが書いている。彼女は数年前に母親を亡くし、父親もこの日記が始まる49日前に亡くしている(日記は父親の四十九日からはじまる)。家族構成は姉が一人と兄が二人の四人。長兄を除いた3人は学生で、一家を支えるのは炭鉱で働く長兄一人だが、正規雇いにはなれず、長時間働いても賃金は極めて低い。長兄が正規雇いに成れない理由は在日韓国人であるからと書かれている。一家は炭鉱町で貧困を絵にかいたような暮らしを送っている。彼らは後に借りていた家から退去せざるを得なくなり、一家離散の憂き目に会う。長兄は職を求めて遠くへ離れ、長女も住み込みの働き口を見つけて遠くへ行く。残された著者と「にあんちゃん」は、まるで「火垂るの墓」と同じように他家へ居候として預けられる。居候期間に書かれた日記に、突然文章がアルファベット表記になる部分があるのだが、そこを読むと胸がつぶれる。長兄と安本末子さんの生まれた年代も、年齢差も「火垂るの墓」の清太と節子に近い。同じような状況は無数にあったと思われる。日記を読んでいて書かれた年代について気になったので調べてみた。だいたい1953年頃のようだ。1953年というのはどういった時代だったのか?終戦から10年も経っていないのでまだ戦争の傷跡は残っていたように思われるが、日記の記述から戦争の痕跡を感じるところはほとんど無い。たしかに1953年と言えば小津安二郎東京物語が公開されているし、翌年には黒澤明の「七人の侍」も公開されているので、終戦後の混乱から抜け出し、復興の足取りがかなりしっかりとしてきた頃合いかとも思われる。日本映画で言うと正に黄金時代を迎えつつある時代だ。そういった時代背景の中で書かれた小学生の日記として資料的な価値は高いのだが、当然出版当時はそういった点で評価されていたわけではもちろんない。読み進めていくと、なぜこの日記が書籍化されたのかがわかってくる。とにかく文章力が異常というか、文体がほぼ大人なのである。日記に書かれている生活や感情は小学生なのだが、それを伝える文章構成がもう完全に大人のそれ。小学生の日記といえば先日「底辺Youtuber」ことピョコタンの夏休みの日記帳を読んだのだが、それと比べても筆力の桁が違う。ほんとうにもうレベチなのだ。ピョコタンの日記も当時自分が書いていた日記と比べると相当書けていると思ったのだが、安本末子さんのこの日記と比べると天と地の差がある。わたしはピョコタンのファンなので、べつにピョコタンをはずかしめたいわけではないのだが、数カ月のインターバルで別々の小学生の日記を読んでしまったのでどうしても比べざるを得ない。しかもピョコタンは6年生、安本末子さんは4年生なのである。それなのに天津飯フリーザくらいの差があるのだ。それにしてもこの違いが何に起因してるのだろう?たぶん安本末子さんの方が読者を強く意識しているということはあるかもしれない。また直接話法を多用するスタイルが臨場感が生み出している面は大きいかもしれない。読んでいて正直大人が手を貸したのでは?と疑問に思わないでもなかった。読み進めると、日記の中盤で謎が解けた。安本末子さんの文章力の素晴らしは長兄の教育の賜物だったのである。日記の中盤で長兄からの手紙が全文引用されているのだが、その手紙からいかに長兄が末子の文才を見抜き、それを伸ばすことに腐心していたかが読み取れる。安本末子さんの類まれな筆力も、長兄という天才的プロデューサーが居てのことだったのである。そもそもこの日記が出版されることになった経緯も長兄の手腕によるところが大きい。その後この天才的プロデューサーであった長兄、日記からはあまり存在感がうかがえない長女、タイトルにもなっている著者の憧れ「にあんちゃん」がどうなったのか?日記の続編は出版されていないので一読者には知る由もないけど、高度成長期の波に乗って幸せな人生をすごしていて欲しい。Wikipediaによるとその後の安本末子さんの詳細がある程度わかる。まだ存命でお元気にしてらっしゃるらしいのは何よりである。

 

Kindle】『会って、話すこと。――自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術』田中 泰延

これはひどい。既存の会話術本でよく取り上げられる傾聴や自己開示といったテクニックに対する単なる逆張りをしているだけの内容。「自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。」ボケにボケを重ねるテクニックを推奨しているのだが、提示される会話例がつまらないコントの台本以下のため全く説得力が無い。要するにテクニックより心が大事ということらしいのだが、その心も伝わってこないのでどうしようもない。著者には前著があるらしく、それが売れたので二匹目のどじょうを取りに来たんですね、という印象しか持てない本だった。

 

Kindle Unlimited】『DTMerのためのフィンガードラム入門 「指ドラム」のはじめ方と練習方法がわかるガイドブック』スペカン

★★★☆

MIDIコントローラーのAbleton Push 2を清水の舞台から飛び降りたつもりで買ってしまったので、フィンガードラムを学ばんと本書を手に取った。他にフィンガードラムに関する書籍は無いので、著者はフィンガードラムではパイオニア的存在と思われる。元々ドラマーだったとのことなので、リアルドラムの経験をフィンガードラムに持ち込んだという点も大きなポイントと思う。私が購入したAbleton Push 2は64パッドであり、本書も64パッドでのフィンガードラミングについての記述もあるがメインはあくまで16パッドだった。これはパッド付のMIDIコントローラーの主流が16パッドである現状から言ってやむを得ないことと思われる。ただ本書には64パッドでのフィンガードラムのレイアウト例も提示されているので、64パッド使用者にも収穫はある。私も本書のレイアウトを参考にAbleton LiveのDrum Rackでドラムの音をパッドに配置していった。軽くフィンガードラミングした感じでは違和感なく使えている。正直素人なのでこれがどの程度妥当なレイアウトなのかわからないのだが、他に類書が無いためこれが64パッドでのフィンガードラムのスタンダードレイアウトになるだろう。著者はSNSを積極的に活用しておりYoutubeでもTikTokでもフィンガードラムのトレーニング動画やデモ演奏が見れる。テキストではわからないリズムも動画を見れば一目瞭然。本書は動画とセットで学習できるように動画のQRコード随時添付されている。本書の利点はリアルドラマーの視点からの教則本となっていることのように思われる。リアルドラムの経験をフィンガードラムに応用したということは、逆も可能なのではないかと期待できる。個人的に電子ドラムも叩いているので、基本的なパターンやドラムフィルが採録されているのはうれしい。せっかくAbleton Push 2を買ってしまったのでフィンガードラムを練習したいと思う。

 

振り返り

1月から2月にかけて他の用事で忙しく、読んだ本のコメントもあまり見直すことができなかった。駄本を読むとダメなところを指摘するコメントをしっかり書きたいと思うんだが、その時間もなかったのが残念。収支もトントンだったし反省するところの多い新年だった。