積読ダイエットチャレンジ(残1519冊)

日々積み上がる積読メタボを2030年までに解消するレコーディング読書ログ

2021年10月~12月期 読了書籍 殿堂入り4冊(Out of 32冊)

2021年10月~12月に読了した32冊の中から、星5を付けた本をまとめてみた。この4冊はいずれ再読し、キチンとレビューしたい。

 

【文庫】サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』正垣泰彦

★★★★★

なぜ買ったのか忘れてしまった。帯に「ネットで話題沸騰!」とあるので、話題沸騰した時にポチったと思われる。一言で言うと名著。創業から一定の成功をおさめるまでの苦労エピソード、経営哲学、日々注視している指標などメモりたくなる箇所が盛り沢山。創業者自ら語っているというポイントも高い。飲食業で長く戦い、しかも勝ちをおさめてきた人物が語る言葉は重みがある。

 

Kindle】『空気を読まずに0.1秒で好かれる方法。』柳沼 佐千子

★★★★★

他人にいかに好印象を与えるかというテーマで、ここまでの実践性を備えた本はないのではないか?と思わせるほどすごい本。プロローグから、何もしていないのに他人からことごとく嫌われてしまうという自己開示があり、そこからいかに他人に好かれるための努力を積み重ねて来たのかが語られる。その努力の末に掴んだ気づきがタイトルにつながる『空気を読まずに0.1秒で好かれる方法』というわけだ。この空気を読まずに0.1秒で好かれる方法というのが滅茶苦茶具体的かつ実践的なため自分にもできそう、と思わせる力がすごい。ただこれを実生活で実践するのは自分自身の照れや、突然ふるまい方が変わったことにたいする周囲の違和感という高いハードルがある。本書はそこにも抜かりなく対応しており、著者自身が感じた抵抗感とそれをいかに乗り越えたのかのエピソードが的確に用意されている。巻末のケーススタディの量と具体性も素晴らしい。営業職など相手の好意をどうしても勝ち取らなければならない業種の人や差し迫った必要にかられている人は本書を買って、後は実践あるのみではないだろうか。

 

【単行本】『ひと月9000円の快適食生活』魚柄仁之助

★★★★★

極東ブログの書評で読んだか、単に料理についての本をAmazon検索していて見つけたかのどちらかだと思うが、そんなようなきっかけで購入した記憶。ただ「極東ブログ ひと月9000円の快適食生活」で検索しても該当の書評が出てこないので別の誰かか、単にAmazon レビューの影響かもしれない。レシピ本はそんなに買う気しないけど、料理にまつわる風習やウンチクなどが語られている本は好きで評価が良いとつい買ってしまうという私の習性もある。内容的には一つの食材や日常的に料理する人の生活の知恵などについての短めのコラムが229編も収録された事典的なもの。ちゃんと巻末に索引もついている。ただコラムの文体は全くお堅いところは無く、正に「軽妙な語り口」という感じの口調で、実に手際よく軽くつくれそうな料理やサクッと真似できそうなテクニックが紹介されている。貰い物や安価に入手できたがそのままでは食べ辛い or 廃棄せざるを得ない食材を上手にリサイクルというか、別の食材と合わせておいしくいただくという趣旨のコラムが多い気がした。そのため敢えてその食材を入手してレシピを試してみようという気にはあまりなれない感じ。ただウンチクを読んでいるだけで楽しいし、料理スキルがあると生活が楽しくなるというのがわかる。1997年刊行でもうすぐ25年になるが、内容的にさほど古さを感じないのはデフレで物価がそこまで変わっていないというのもあるだろうけど、エコロジーや節約といった著者の視点が現代でも十二分に通用するのと、現代社会の問題点が1997年時点でだいたいは出揃っていたというのもあるなぁという感想を抱いた。また折を見て読み直したい本である。ただ、もし本書の21世紀版があれば読みたいなぁ、とも思う。どのようにアップデートされているのか、はたまた変わらないのか。まああんまり変わらない気はする。

 

Kindle】『White Fang』Jack London

★★★★★★

ジャック・ロンドンは「The People of the Abyss(どん底のひとびと)」を読もうと思って機会を伺っているのだけど、試しに読んでみた短編集の一発目に収録されていた「Human Drift」がクソ小難しい上に退屈極まりなかった。やばい作家なのかと心配になり著作のアマゾンレビューを読んでたら、本書の評判がかなり良かったので勢いで購入。私は動物モノ好きなので動物モノで評価が良いとすぐポチる癖がある。しかしこれが大正解。もう冒頭の追跡シーンから手に汗握る。二人の男が犬ぞりで雪原の荒野を走っている。男たちを追いかけるのはオオカミの群れ。夜ごとのキャンプで犬ぞりの犬が一匹、また一匹と姿を消す。弾薬は尽きかけているが、まだ町までは遠い。やがて…という導入部のスリルとサスペンスがとにかく最高。タイトルとなるホワイトファングが登場するのはかなり後だし、導入部と本編は物語的な関連性はかなり薄めなのだが、この小説はとにかくつかみが最高だった。これは本当にお手本にしたい。タイトルのホワイトファングが登場してからは名犬一代記みたいなお話になるのだが、それも楽しいし、実際楽しんで読んだ。ただ冒頭の追跡シーンのこれからどうなっちゃうんだろう感はさすがにもう無かったなぁ。